マットレスの選び方
How to choose a mattress
自分に合った敷き寝具(マットレス)の選び方
世の中には何千円から何十万円する価格の敷き寝具もあり、一見、見た目ではわかりにくく、どれを選んだらよいのか迷いますね。ここで敷き寝具の選び方の基本を知っておきましょう。
敷き寝具選びは、睡眠時の体圧分散、理想の寝姿勢、寝返りのしやすさを目安に!
睡眠中の身体を支える敷き寝具と枕は、寝具の中で一番大切なアイテムです。選び方のポイントは睡眠中の体にかかる負担をやわらげる「①体圧分散性」と「②自然な寝姿勢」「③寝返りのしやすさ」の3つのバランスが特に大切です。
今まで使っていた敷き寝具との慣れもあるので、敷き寝具を試す時は硬さの異なるマットレスを何種類も試し寝して、更にできれば枕も一緒に試されると良いでしょう。
当店での多くのお客様の好まれる傾向から、スリムな方は『柔らかめ』を。標準体型の人には『中位』、ガッチリした体型の人は『硬め』をお勧めしています。
広告や通販等で目にする、低反発と高反発のマットレスの違い
低反発敷き寝具【柔らかい】
テレビCMや通販などで紹介されている低反発マットレス。体の線に沿ってゆっくり沈み、腰や肩への負担が軽減されると強調されている低反発敷き寝具は、睡眠中の寝返りの少ない人や、短時間睡眠の方に向いています。
しかし、睡眠中に蒸れを感じ、柔らかく腰部の落ち込みで寝返りがうちにくいという欠点もあります。
高反発敷き寝具【硬い】
「寝具は硬い敷きマットレスが体に良い」と思って硬めを希望される方が多く、低反発マットレスの弱点(蒸れ・寝返りをうちにくい)に対し、反発性が高い、高反発マットレスが販売されるようになりました。硬めの高反発のマットレスは、寝返りがしやすく、腰痛の方や男性におすすめと言われています。
高反発にもいろいろな硬さがありますが、筋肉質の人やアスリートに向いています。ただし硬い敷き寝具は寝返りをしやすいのですが、腰と背中の2点に負担がかかり過ぎる傾向があり、体の歪みや痛みなど違和感の原因となる場合もあります。
マットレスの上に仰向けに寝て、腰と敷き寝具との間に手が入るような隙間がある、つま先が外側に開いているのでしたら、それはあなたにとってマットレスが硬すぎるというサインなのです。
ある睡眠専門医の本によると、アスリートの競技毎に好むマットレスの硬さには相違があるそう。例えば筋肉質のボブスレー選手は硬いものを好み、フィギュアスケートの選手は比較的柔らかいマットを好むそう。体重が重く、がっちりした体型の人程硬めを選ぶ傾向にあるといいます。
身長・体重・体型・筋肉量など加味しながら、あなたが気持ちいいと思われる敷き寝具を体験し選んでください。
現在ご使用中の敷き寝具があなたに合っているかどうか、下記の項目をチェックしながら読んでみてください。
- ① 自然な寝姿勢を保持できる(寝姿勢保持)
- ② 体にかかる圧力を均等に分散する(体圧分散)
- ③ 寝返りのしやすさ(寝返り)
- ④ 体から出る湿気を溜めずに発散できる(湿気発散)
- ⑤ スムーズに深い呼吸ができる
①自然な寝姿勢を保持できる
あなたの背骨は首、腰が前側、背中が後ろ側とS字形カーブを描いています。この背骨の上にある重い頭を支える頸椎、胸椎、腰椎、これらの頸椎の間に椎間板というクッション材が、日中の活動している時に脊柱にかかる衝撃を吸収してくれています。
睡眠時はこの背骨のなだらかなS字姿勢保ち、背骨に負担を与えず、リラックスさせることが睡眠中の正しい寝姿勢です。
「まっすぐ立っている姿勢で寝るのであれば、床や畳で寝てもいいのではないか?」と思われがちですが、それは大間違い。今すぐ、畳の上に寝て確かめてみてください。私たちの体は背中やお尻など体には凹凸がありますので、一部分に圧力がかかり、次第に痛くなってくることが体感できますね。 そこで体の一部分にかかる圧力を均等に分散されることが必要になってくるのです。
②体にかかる圧力を均等に分散する
寝ている時、身体のどこで体重を支えているか考えたことありますか?
まっすぐ仰向けに寝た場合、一般的に頭に8%、肩に33%、腰に44%、足が11%の割合で体重がかかるといいます。つまり体重の半分近くが腰に集中しており、腰と肩を合わせると80%近くの体重がかかっていることになるのです。
また、私たちは個々の体型によって背骨のS字ラインは様々あります。
- Sラインタイプ(背中・腰・お尻のラインがほぼ真直ぐ)
- Wラインタイプ(腰の凹が深い)
- 背出タイプ(お尻より背が出ている)
- ヒップタイプ(背中よりお尻が出ている)
体型は人によって様々。快適な睡眠を得たいなら、それぞれの体型を考慮に入れて、体重による圧力を分散してくれるクッション性の備えた敷き寝具を選びましょう。
ふとんの菅原でも以前「せっかく良い敷き寝具を購入したのに、自分には合わなかった」とお客様からクレームをいただきました。原因は敷き寝具と、頭・首のバランスがフィットしていなかったからでした。
敷き寝具選びは、「寝姿勢」「体圧分散」だけではなく、今お使いの寝具、あなたの眠りの悩みに総合的に相談できる「眠りの専門店」で選ばれるのが一番おすすめです。
③寝返りのしやすさ
あなたが寝ている時、1晩に平均して15~30回程度の寝返りをします。
なぜ寝返りするのか?
- 睡眠中の体重による圧迫によってスムーズに流れない血液やリンパの流れを、寝返りによって回復しているのです。
- あなたは一晩にコップ1~2杯の汗を発散しています。蒸れを感じて不快ですよね。汗によって体と敷き寝具の間の湿気を寝返りによって分散させているのです。
- 一般的に睡眠中は、腰や肩の周りに体重がかかり、圧迫して腰痛、首の痛みの原因ともなります。この圧迫を寝返りによって和らげているのです。
寝返りによって体へ圧迫から解放され、より深い眠りへといざなってくれます。理想的な寝返りは15~30回。敷き寝具が柔らか過ぎると寝返りが減少し、硬すぎると増加傾向になることが分かっています。
④体から出る湿気を溜めずに発散できる
一般的に、私たちは睡眠中にコップ1〜2杯の汗をかきます。これは深部体温が下がってくると眠くなる体温調節のために欠かせない生理現象です。しかし、汗からの湿気をそのままにしていると、敷き寝具の中は蒸れた状態になります。体も汗で濡れたままになると、寝冷えの原因となります。
湿気の面でも低反発はおすすめしていません。敷きマットレスの中には中空ポリエステルのクッション材を素材にした通気性の良い寝具もありますが、他の要因(体圧分散)も配慮しながら総合的にお選びください。
敷き寝具は、普段から湿気対策を心がけましょう
- 敷き寝具はこまめに干すか、立てかけて湿気を発散させましょう。湿気によりカビ、雑菌、ダニが発生しやすく、不衛生です。特にフローリングの場合は要注意です
- ふとん乾燥機やサーキュレーターを利用することで、爽やかにお休みになれます
- ベッド、ふとんの上げ下ろしが少ない方は、湿気とりシート(除湿シート)利用をおすすめします
- 掛け寝具の羽毛ふとんやウール、カシミヤのような天然素材は湿気を発散してくます。上手に湿度を調節しながら、ふとんの中を最適に暖かくキープしてくれます
ふとんの下に敷く除湿シーツは湿気対策におすすめ!
⑤深い呼吸ができる
睡眠中も私たちは酸素を血液に取り込み、細胞の代謝により生じ、血液に排出された二酸化炭素を体外に排出しています。
呼吸がスムーズに行われないと血圧が上がり、脳や体の覚醒に近い状態になり快適な眠りが得られません。
敷き寝具を試寝された時、体圧分散・寝姿勢、寝返りとともに、自然に深い呼吸ができているかを確認してください。